今回の「学問体感」は、大阪市立大学 経済学部 北原稔先生にお越しいただき、「ミクロ経済学入門:オークションを例に」という講義を実施いただきました。
ミクロ経済学では「誰かが何かをすることに対し、その人からするとそれをするのがよいからだ」という視点で分析を行うそうです。今回はそれを様々なオークション形態の入札行動から考察していただきました。
オークションでは出品者が損をして落札者が得をする、また、その逆などいろいろな結果がでる可能性があります。それを、「競り上げ式」「競り下げ式」「第一価格」「第二価格」などいくつかのシチュエーションのオークションから、ミクロ経済学の視点で洗い出していきます。その中には当たり前の発想や気づかなかった発想など、心理的側面なども含めていろんな結果になる可能性があることが示唆されます。
そういった発想から、たとえば「なぜすでに一店あるところに、また同じチェーンのコンビニができるのか」といった経済学的なこと、また「今の相手国の軍備を考えるとこちらももっとしっかり軍備を整えられるように法改正するべきか」といった社会的なこと、「自分のいきたい企業に大学の授業は役に立たなさそうだ。となると、がんばって授業の単位をそろえて卒業することに何の意味があるか」といった今の中高校生にも合致しそうなことなども、ミクロ経済学の考え方でその答えを求めることができることに気づきます。
今回の講義では、凝り固まるのではなく柔軟な発想でいろんな側面から考えることの大切さを学びました。
講義終了後には個別の質問にもご対応いただき、充実した時間となりました。
少し時間が短かったことで北原先生にもご迷惑をおかけいたしましたが、貴重な経験をさせていただきました。北原先生、本当にありがとうございました。(阪口)