「午前の高校入学式に続き、14時半より中学校入学式を各ご家庭1名に限定させていただき、体育館で行いました。
午前にくらべ、日中の温度も高くなり、蒸し暑く、体育館では大型扇風機による換気をおこない、
保護者の座席も1席ずつ空けてお座りいただきました。
以下に式辞を掲載致します。
「大いなる 春というもの 来るべし」
あまり聞き慣れない俳句かもしれません。
高野 素十という方の俳句です。
本来なら四月の入学式を、この句が示すように、春を待つ心のように大らかに迎えるはずでした。
一人ひとり生徒の皆さんの氏名を読み上げるところ、このような形になりましたが、教職員一同、159名の皆さんの入学を心からお祝いし、関西大倉中学校生徒として心から歓迎いたします。
また、ご列席賜りました保護者の皆様にも、これまでのご養育のご心労をねぎらい申し挙げ、併せてご入学をお祝い申し挙げます。
初めに、現在、校舎建て替え工事をいたしており、全て完成しますのは、2022年の予定となっております。生徒の皆さんにとどまらず、保護者の皆様にも、ご不便をおかけすることになります。お許しいただきたいと思います。
また、コロナウイルス感染症が教育活動にも多大な影響を及ぼしております。学園共々、この後、御協力をお願い申し挙げることが多々あろうかと存じますが、その折には宜しくお願い申し上げます。
さて、二ヶ月遅れの入学式となりました。また、新しい元号「令和」となり2年目を迎えました。
「令和」の令という字には、「命じる」や「おきて」という意味があり、「良い」という意味もあります。
平和でよき時代が永く続くことを願うばかりです。一方、社会はめまぐるしく変化してきておりますが、新型コロナの感染拡大により、社会の変化に拍車がかかろうとしております。
その変化に素早く対応していくことが求められます。
しかし、ゆっくり先を見つつ動いていなければ、大局を見誤り、変化の兆しも見逃してしまいます。
「ゆっくり行く者は無事に行く、無事に行く者は遠くまで行く」
西洋には、熟慮断行いわゆる「ゆっくり考えて、ゆっくり動け」という諺があります。慌てて動けば事故を起こし、目的地までたどり着けなくなる可能性があるということです。
ゆっくり行けば事故は最小限に食い止められ、最終的に遠くまで行くことができる。
スピード感が何かにつけ要求されがちなところもありますが、時と場合によります。
あせらず、ゆっくり、一歩ずつ、先を見据え、地道に積み重ねていくことが、君たちの成長の糧となります。
自分の目標を定め、関西大倉中学校で青春の第一歩を踏み出して下さい。
以上、第二十七回関西大倉中学校入学式式辞とさせていただきます。