始業式を行いました。

2020/6/17

16日(火)、本来ならばグランドに中学・高校全学年が揃う始業式を行うはずでしたが、
新型コロナ禍の影響で、グラウンドでの実施は行わず、各クラスでのテレビ講話のかたちで始業式を行いました。

 0号棟北側にある池に、ここ数年みなかったモリアオガエルの卵をみつけました。
写真中央にあるソフトボール大の白い綿のようなものが卵です。

以下、始業式で話したものを掲載します。

二ヶ月遅れの始業式となりました。
休校期間中、規則正しい生活は送れたでしょうか。新型コロナの感染拡大により、新しい生活様式が示されましたが、生徒の皆さんに協力して貰わなければならないことが多々あります。

各クラスへ「新しい生活様式って何?」というカラー1枚ものの掲示をお願いしました。
こまめに手洗いをすること、アルコールでの消毒、マスクの着用やソーシャル・ディスタンスなど。
これらは自分が感染しない、感染させないことですが、自分を思いやるということだけではなく、自分以外の人や友達を思いやることでもあります。

また、部活動も再開されますので、各クラブによっては活動後、使った防具など消毒をしなければならないクラブもあるようです。
各学年・担任の先生や顧問の先生から言われたこと、示されたことを徹底し、よく考えて行動、活動してほしいと思います。

次に、新聞報道によれば、新型コロナの影響で、休校・休業となった学校の保護者の方を対象に、子供たちの一日の過ごし方について調査した結果が掲載されていました。
何が増えたか、自分に問いかけてみて下さい。。

休校によって、何が一番増えたか。家で一番何をしたかです。

第一位、増えた時間の第一位はテレビやビデオの視聴で80%、
次に、第二位がYouTubeなどのネット動画で62%、
第三位がゲームで52%、

大阪府や、私あるいは先生方が期待した読書の項目は増えた中には、無かったそうです。

もう一つ、大学には〇〇大学生活協同組合、通称大学生協というものがあります。その大学生協の連合会の調査によると、1日の読書時間がゼロと答えた大学生が、48%いたそうです。
二人に1人がまったく読書をしていない結果だったとのことです。

生徒の皆さんの手元には図書カードが届いていたと思いますが、どのように利用されたでしょうか。

カードがそのまま残っている人、もう使ってしまった人。多々いると思いますが…。

ちょっと聞いてみましょう。
生徒の皆さんの中で、カードがそのまま残っている人…。
では、もう使ってしまった人…。

さて、何故、図書カードのことを聞いたかというと、中学3年間、高校3年間にプラス、大学卒業までの約10年間の読書量が、人格形成の面で非常に大切であるといわれているからです。

それに関連することに少し触れることにします。
『Japan as No.1』ということばを聞いたことはありますか。
社会科の教科書にもでてきます。
この言葉は、昭和30年代の日本の高度経済成長を分析した中国系のアメリカ人で、ハーバード大学の社会学の教授、エズラ・ヴォーゲル博士が書いた本の名前が用語になったものです。

正式には『Japan as No.1~アメリカへの教訓~』といいます。書かれたのは今から40年前の1979年で、その『Japan as No.1』の中で、日本が戦争に負け、その後、日本が復興する原動力となったものを分析して、本として書かれたものです。

その中で、「日本の高い経済成長の基盤となったものは、高い学習意欲と読書習慣である」と述べています。ところが、令和になって今年で2年目、その前の平成30年、この30年近い間に、たまごっち、ポケベル、携帯電話、スマホと普及し、また、ゲームも含め、急速にデジタル化が進み、比例するように読書量が減少していることが危惧されているのです。

ですから、君たちには高い学習意欲を持つことと、読書量を少しでも増やしてほしいと思っています。

『論語』の一説に「人にして遠き慮(おもんばかり)無ければ、必ず近き憂いあり」という言葉があります。

中学生にはちょっと難しいかもしれませんが、目先のことにとらわれず、先の先まで思いを巡らせ、その基盤になるものを、今作りなさいということです。その基盤になるものが、高い学習意欲と読書量だということです。
しっかり自分の将来を見定めて、日々一日一日を大切に過ごして下さい。
そして、変化に強くなって下さい。
進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは、
「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、○○できるものである」といっています。

「変化できるものが生き残る」のです。
「変化に強くなって下さい」

最後に、新型コロナを撲滅することは、現時点ではできません。
共存の道をさぐるしかないのです。
今までの生活は、元通りに戻ることは、恐らくありません。
学校も、先生方も、生徒の皆さんも、生活そのものを変える必要性があるのです。
いや、もうすでに変わり初めています。

深刻な危機に直面したコロナ禍の今こそ「自分を変え、他のひとのために生きる」という人間の本質に立ち返る必要があるのです。最初に、いいましたが、君たちは何故マスクをしていますか。
「自分を守るためでもあり、友達や他人に移さないためですよね」

それは「他の人を思いやるということです。」「他の人を思いやるということが、自分に幸せをもたらすのです」

「思いやる心を大切に…」「人は一人では生きていけません。ですから、人の幸福を考え、それを示し、人の助けになることが、結局は自分の為になるのです」