2日(金)、10時より中学棟付近ではウグイスの囀りが聞こえる中、入学式を挙行しました。
昨年の入学式は、緊急事態宣言解除後の6月に行いました。
それから、10ヶ月が経過しておりますが、未だコロナの収束も見通せない状況での入学式となりました。
以下、式辞を掲載させていただきます。
日本の「本」、BOOKの「本」という字を頭に描いて下さい。
樹木の「木」の下に横線をつけ加えています。
「本」という字は木の根元を表しています。
「本」を辞書で引いてみると、草木の根、物事の起こり、初めとあり、本気・本腰・本物、本質・本筋などということばが例として出てきます。
本気とは、まじめな気持ち。真剣な気持ちを指します。
「本気を出す」とか「本気で取り組む」という使われ方をします。
本気とは、自分で勝手に決めてしまっている限界を超えて取り組むことです。
勉強やクラブ活動、何事にも本気で真剣に取り組むことを心がけて下さい。
また、本腰とは、物事を本気でしようとする姿勢。
真剣な気構えとあり、「本腰でとりかかる」「本腰をいれる」という使われ方をします。
いつも逃げ腰で人のせいにするような中途半端な姿勢は、人として成長しません。
人として成長するためにも、本腰を入れて取り組んで下さい。
次に、本物とは、作りものや見せかけでなく、本格的なものとあり、「彼の技量は本物だ」というように、ぶれない心を持つことです。
さて、新入生の皆さんは、今まで、何か一つでも良いから本気・本腰を入れて取り組んできたことはありますか。
自分で制限をかけてしまっているのなら、そのリミッターを外して、本気になって勉学にスポーツに取り組みましょう。
そして、自分の可能性を追求し、何事にも本気になって打ち込んで下さい。
では、そのためには、心に何を思うか。その思いをいだくことから始まります。
仏教詩人坂村真民氏の「本気、本腰、本物」という詩には、「なにごとにも 本腰にならねば いい仕事はできない 新しい力も 生まれてこない 本気であれ 本腰であれ」とあり、新しい力を生むには、本気になり、本腰をいれることとあります。
未来を信じ、自分を信じ、新しい力を生み出して下さい。「こうしたい」「ああしたい」という「思いや志」を本気でいだくこと。その「志」があるからこそ、人は一所懸命に考え、実行することができるのです。
時代や流行はどんどん変わります。ただ、本筋は意外と変わらず、それに気づける人が本物といえるかもしれません。社会の変化に対応でき、将来を見通す先見性や「自分の思い、志」を、この関西大倉学園で見つけられることを折に願い式辞と致します。
2021年(令和3年)四月二日
関西大倉中学校 校長 古川 英明