おはようございます。
新型コロナウイルスの蔓延に中々歯止めがかからず、変異株が大阪を中心に広がり、若い世代の方にも罹患者が増えています。
三度目の緊急事態宣言が発出され1週間が経過しようとしています。
クラブを含め、教育活動全般に影響がでていますが、後しばらくはこのような状態が続きます。自分の身は自分で守るしかありません。
マスクを着用すること、バスの中、体育やクラブ活動時における更衣の際は大きな声を出さないなど、これらは、君たち生徒の皆さんの協力がないと成り立ちません。
担任、クラブ顧問の各先生方から注意されていることが多々あると思います。
改めて協力をお願いします。
さて、今日は五月一日ですが、三日は憲法記念日にあたりますので、憲法について触れたいと思います。
率直に聞きますが、憲法とはどのようなきまりをいうのでしょうか。
憲法とは何ですか。日本国憲法の前文を読んだことはありますか。
今日は、日本国憲法が公布された1946年の翌年、1947年8月2日に発刊された『新しい憲法のはなし』という文部省、現在の文部科学省が出した中学一年生の社会科の教科書をベースに優しく憲法の話をしたいと思います。ただ、この本の一部には、現在の制度とは異なる表記や、現在では不適当と思える表現がありますが、戦後直後に執筆されたもので、当時の文部省のあり方を知る上では重要な資料といえます。一応、了解しておいて下さい。
高校生の皆さんにはちょっと退屈かもしれませんが、しばらく聞いていて下さい。
国の仕事は、一日も休むことはできません。また、国を治めてゆく仕事のやりかたは、はっきりときめておかなければなりません。
そのためには、いろいろ規則がいります。規則はたくさんありますが、そのうちで、いちばん大事な規則が憲法です。
国をどういうふうに治め、国の仕事をどういうふうに進めていくかということを決めた、一番根本になっている規則が憲法ということになります…。
国でいちばん大事な規則、いいかえれば、いちばん高い位置にある規則ですから、国の「最高法規」と言ったりします。
では、この日本国憲法は全部で何条あるか知っていますか。
日本国憲法は、第一章の天皇、第二章が戦争放棄、第三章が国民の権利及び義務、第四章が国会、次に、内閣、司法という順で、第十一章の補則まで、第一条から第百三条まであります。
第三章の「国民の権利と義務」にあたる項目が、条文が一番多く30条で構成されています。ここからもこの憲法が国民主権に根ざしたものであることが解ります。
また、国の力のみなもとは、一人ひとりの国民にあります。そこで国は、国民の一人ひとりの力をはっきりとみとめて、しっかり守ってゆくのです。
そのために、国民の一人ひとりに、いろいろ大事な権利があることを、憲法できめています。この国民の大事な権利のことを「基本的人権」というのです。これも憲法の中に書いてあります。
その他に、前書きがはじめにつけてあります。これを「前文」といいます。
この前文には、だれがこの憲法をつくったかということや、どんな考えでこの憲法の規則ができているかということなどが記されています。
前文には二つの働きがあります。一つは、みなさんが憲法をよんで、その意味を知ろうとするときの手引きになることです。この前文に記されたような考えからできたものですから、前文にある考えと、ちがったふうに考えてはならないということです。
もう一つの働きは、これから先、この憲法を変えるときに、この前文に書かれた考え方と、ちがうような変え方をしてはならないということです。
では、この前文の考えというのは何でしょう。いちばん大事な考えが三つあります。
この『新しい憲法のはなし』では、「民主主義」と「平和主義」と「主権在民主義」と表しています。主権在民主義といいましたが、主権在民とか国民主権といわれます。「主義」という言葉をつかうと、むずかしくきこえるかもしれませんが、主義というのは、正しいと思うもののやりかたのことです。今まで、憲法の前文について、読んだことがない人の方が多いと思いますので、放送部員の方に日本国憲法の前文を読んでもらうことにします。この三つの基本原理と憲法の主旨を聞き取って貰い、全校朝礼を終わりたいと思います。