1学期終業式を行いました。

2021/7/21

1学期もなんとか乗り切った感が強いと思えますが、生徒の皆さんはどうでしょうか。

この1年数ヶ月、世の中にあふれかえった漢字といえば、「コロナ禍」の「禍」。「しめすへん」の禍。
辞書を引くと「わざわい、予期していなかった災難や不幸、厄などを意味する語。
音読みでは「か」、訓読みでは「わざわい」「まが」とも読みます。

禍の対義語、反対語は幸福の「福」。禍を使った四字熟語には「転禍為福」(てんかいふく)などが挙げられます。転禍為福は、災い転じて福となすと読むことができます。
ただ、福を自分に呼び込むには、日頃の行動が大切です。
それは人としての徳を高めることでもあります。徳を高めるとはどういうことか。
当たり前のことを当たり前のごとく行うことです。
ゴミを落としたらきちんと拾ってゴミ箱に捨てる。使ったものは元のところに戻す。
公共交通機関、電車やバスの中での迷惑行為は慎む。
自転車は交通ルールを守ることなど。
人に迷惑をかけない、決められたルールを守る。制服しかりです。

この当たり前のことができないようでは、福どころか運にも見離されることになります。よく考えて行動して下さい。

さて、最初に、次年度、来年四月以降の件で生徒の皆さんに関係することがありますので、少し聞いて下さい。
来年入学する高校1年生から、学習指導要領が改訂されます。
学習指導要領というのは、国、文部科学省が定めている各学年で習う科目や内容、単位数などを定めたもので、因みに、新しく入学する高校生から、世界史Aが歴史総合、現代社会も公共と科目名が変更され、新たな科目として地理総合が設けられます。
また、総合的な学習の時間の時間数が増えることになります。

今、話したのはあくまで、入学してくる新高校一年生のことですので、中学生の皆さんは、高校への進学と同時に関係することになります。
高三生の皆さんには関係ありませんが、一応、知っておいて下さい。
只、現高一、高二生の皆さんは教育課程の変更はありませんが、新一年生の学習指導要領改訂に伴い、登校時間の変更並びに7時間目の授業が設けられ、週2日~3日、7限目が入ることになりますので承知しておいて下さい。
詳細は二学期に連絡します。

今日、1学期の終業式を迎えることになりました。
新型コロナの収束も中々見通せないことでもありますが、夏休みを過ごすにあたり、免疫について少し触れたいと思います。

学問の分野に寄生虫学という学問分野があります。
人間に寄生する寄生虫というと、蛔虫、蟯虫、サナダ虫などがあげられます。
東京に東京医科歯科大という医療系の国立大学があり、その東京医科歯科大の先生で藤田紘一郎先生という方がおられました。
先生の専門は寄生虫学と感染免疫学で、自分のお腹の腸に寄生虫の一種であるサナダムシを飼っていたことから有名になられ、「寄生虫博士」として知られています。
サナダムシというと、長いものだと10㍍にもなるそうですが、その藤田先生が初めて書かれた著書に『笑うカイチュウ』という本があり、当時ベストセラーとなりました。

先生は、清潔さを過度に求める現代の風潮に警鐘を鳴らされ、寄生虫が花粉症などのアレルギー疾患を抑える効果があることを実証するために、自分の腸でサナダムシを飼っていたそうです。
その藤田先生が書かれた『感染症と免疫力』という著書には、感染症の予防で何より大切なのは、免疫力をつけることとあり、免疫力の7割が腸で、残り3割が心でつくられるとありました。
2冊とも図書室にありますので、興味がある人は読んでみて下さい。
『笑うカイチュウ』は結構おもしろいですよ。

さて、新型コロナは、感染力は強いものの、病原性はそれほど強くありませんが、インド株やデルタ株など、ウイルスが変異していますので、感染に歯止めがかかりません。感染者の数は今後も増えそうです。
しかし、あくまでも病気です。病気にかかるのは人です。
たとえ、マスクをし、手洗いや消毒を熱心にしていたとしても、100%防御できるわけではありません。感染症は「意識が低いから、かかる」というものではありません。

12年前の2009年、新型インフルエンザに本校生徒がかかり、偏見にさらされたり、風評被害にあったことがありました。かかった人が不当な差別や偏見にさらされるようなことがあってはならないのです。
新型コロナにおいても感染した人が、差別やいじめ、いやがらせ、批判の的にさらされるということが起こってきています。ですから、新型インフルの経験があるからこそ、学校生活や教育活動に制限を加えているということを解っておいて貰いたいと思います。

明日から長期休暇に入りますが、オリンピックやパラリンピックもあります。
オリンピック終了後のリバウンドから二学期早々、爆発的な感染拡大の可能性も懸念されています。新型コロナに感染し重症化しやすい人は高齢者、持病のある人、妊婦さんなどで、これらの人は、免疫力が低下しているため重症化しやすいと考えられています。自然免疫は毎日の生活に影響を受けやすく体調や睡眠の状態で大きく変わります。ストレスの影響も強く受けるとのことです。睡眠時間を削ってまで忙しく働いている人。日々疲れを感じている人、昼夜逆転の生活をしている人などは、感染しやすく、重症化しやすいとありました。
休暇中、どうしても生活は乱れがちになります。
規則正しい生活を送ること。
三度の食事をバランスよく摂って、免疫力を高めること。
健康な毎日を送ることが感染症から自分で自分の身を守ることにつながります。

昨年は2週間の夏休みでしたが、今年は倍あります。
意義ある夏休みにして下さい。

高三生の皆さんにとっては、一番のふんばりどころです。
成績が上がらないからといって、志望校を下げがちになるのもこの頃です。
下げてしまうとドンドン下がることになり、下げたところも受からなくなります。
後悔しないように、将来を見据えた上で第一志望大学・学部合格にむけ進んで下さい。
高二の皆さんもそろそろスタート切る時期ですよ。

では、二学期元気な顔をみせて下さい。
以上で講話を終わります。