二学期始業式を行いました。

2021/8/25

夏季休暇も終わり、今日から二学期が始まりました。

只、新型コロナへの感染リスクが払拭されたわけではありません。
一学期終業式の時に話しましたように、オリンピック後の感染爆発が現実になってきました。
デルタ株の蔓延により近隣の市町村では、連日50名~80名の方の感染が確認されています。
また、感染している世代も確実に年齢が下がってきています。
デルタ株のウイルス量は、今までの千倍といわれています。
府内の学校での感染の割合も19%と2倍以上になり、この一・二ヶ月で20件のクラスターが確認されています。
このうち部活が四分の三をしめています。
今、言いましたように季節性のインフルエンザより強く感染するようになりましたので、二学期は文化祭・体育祭など、昨年以上の感染リスクを踏まえた上での活動になります。

これら教育活動すべてにわたり、生徒の皆さんの協力が無いと進みません。
登下校時のバスの中での会話は控える。
マスクはきちんと着用する。
食事の際の黙食、クラブや体育での更衣後はすぐにマスクを着ける。
また、アルコール消毒の徹底をお願いします。

さて、「あとみよそわか」という言葉があります。
これは、明治から大正時代の文豪で『五重塔』を著した幸田露伴が、娘の幸田文をしつける時に使ったことばと言われています。六貫の中二・中三、高一生には話したことがあると思います。「 もういい、と思っても、もういちどよく確かめなさい。」「後で、もう一度振り返って確かめてみよう」ということで、ひと言で言えば「反省する」ということになるでしょうか。「そわか」は仏教用語で、「功徳」を表します。神様や仏様の恵み、御利益のことです。「反省」は、英語では self-reflectionというそうですが、反省するの「反」は「振り返る」という意味で、「省」は、かえりみる、はぶくと読みますが、これは視線を止めて「じっと見る」所から、かえりみるという意味になったそうです。振り返ってじっくり見てみようということになります。一学期、夏休みを「あとみよそわか」してみてください。
最後に、辞書や教科書を出している出版社に三省堂という会社があります。

『論語』に「吾、日に三つの我が身を省みる」という言葉があり、
三省堂の名前の由来は、「三つの我が身を省みる」の「三」と「省みる」からきています。
この「三」とは、人、友人、勉強の三つをさし、この三つを省みることをさしています。決して「省く」ことではありません。

パナソニックの創業者で、本校の前身にあたる関西商工学校で学ばれた松下幸之助氏は、この三省を少し発展させ、
「一日を振り返り、その一日にあったことを思い起こし、正すべきものは正し、伸ばすべきものは伸ばす、そしてそれぞれの正し方、伸ばし方を考え、次に行動すること」と考えられていたようです。
単純には、自分がしてきた行動や発言に関して振り返ってみることですが、振り返ったあとそれについて何らかの評価を下すこと、あるいは自分の行動や言動の良くなかった点を意識し、改めようと心がける。
「良くないこと」を思い起こし、心改める、あるいは、悔やむことばかりを言うのではなく、良くないことはもちろんのこと、「良いこと」も振り返る。良かった、あれでいい結果が出たと振り返りながら、それにとどまらず、良かったことをさらによくする方法がなかったか、もっと良い結果を出す方法はなかったかを考え行動することといわれています。

要は、良い結果に満足するだけでなく、次の、さらなる良い方法、対応、態度を考え、実践するということも「反省」だということです。いわば、「次を考え行動すること」です。

二学期が始まりました。
次を考え、更なるステップUPをはかって下さい。「あとみよそわか」

以上で講話を終わります。