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2022/08/26 すべて学園ブログ

二学期始業式を行いました。

おはようございます。

 長いようで、短い夏休みも終わりました。
「楽しい夏休みだったでしょうか」「良い夏休みでしたか」「アッという間の夏休みでしたか」
「楽しい夏休み」と言っても、生徒の皆さん一人ひとり異なります。

 意義のある体験とともに反省すべき点も多かれ少なかれあると思いますので、各自休みを振り返って良かった点は評価し、望ましくなかった点は改める必要があります。今日中に振り返って考えてみてください。

 次に、約3年半に及んだ新校舎、新駐輪場も計画通り出来上がりました。
協力していただいてありがとう。二学期は文化祭や中学体育祭があり、10月2日には、新校舎の竣工式並びに120周年の式典もあります。

まだ、協力いただかないといけない場合もあると思います。
よろしくお願いします。

 さて、今日は8月25日ですが、1週間後の9月1日は防災の日です。
その防災の日にちなみ、東日本大震災があった2011年3月11日の5日後に派遣されたある警察官のお話をします。

 今からそのお話を放送部員に読んでもらいます。
併せて、テロップも流してもらいますので聞いてください。

 2011年、東日本大震災が起こった5日後の3月16日、震災直後の福島第一原発から25キロ離れた被災地にひとりの警察官が派遣されます。
彼は在日ベトナム人の両親を持ち日本で生まれ、苦学して大学を卒業し、大学院で博士号まで取り、両親の苦労からか、ひとのために働きたいと日本に帰化して警察官になります。

 その夜、警察官の彼は、被災者に食料を配る手伝いのため、避難所のある学校に向かいます。そこには、ようやく届けられた食料を受け取るために、たくさんの被災者が列をつくっていました。

 その警察官は、Tシャツ短パン姿で配給の最後尾に並ぶ9歳の男の子を見つけます。その子が気になり、長い列の最後に居た少年に夕食が渡るか心配になってその子に話しかけるのです。声をかけた警察官は、その子が話しはじめた悲惨な体験に言葉を失います。

 「体育の授業中に地震にあい、学校の近くで仕事をしていた父親が心配して学校に駆けつけてくれた。けれどその時、大きな津波がきて車ごと呑みこまれるのを三階のベランダから見た……。

家も海岸の近くなので、たぶんお母さんや幼い妹や弟も助かっていないと思う……」と

 家族を語る少年は、不安を打ち消そうと涙を拭きながら、悔しさと心細さと寒さで、にじむ涙を拭いながら声を震わせ話してくれたそうです。

 不憫に思った警察官は、自分の着ていたコートを少年にそっと掛けてやり、そして持ってきていた自分の食料パックを少年に手渡します。きっと喜んで食べてくれるだろうと思ったのです。

 ところが、その男の子はどうしたか。警察官は、空腹の少年は遠慮なく喜んで食べてくれると思っていましたがしかし、警官の彼が眼にしたのは、受け取った食料パックを配給箱に置きに行った少年の姿だったのです。

唖然とした彼の眼差しを見つめ返し、少年は警察官にこう言ったのです。
「ありがとう、でも他にも沢山のひとが、僕よりもっとおなかを空かせているだろうし…」と。

 警官は忘れかけていた熱いものがふと湧き上がって、涙を見られないように少年から顔をそらしました。髪の白髪が目立つほど人生を歩んできた自分が恥ずかしくなるような、人としての道を少年に教えられるとは……。心細く困難に耐えている9歳の少年が他人を思いやれる、自己犠牲と相互扶助の精神。警察官は、涙で少年をみることができませんでした。

 両親も弟妹も行方不明で、不安と悲しみに打ちひしがれ、空腹と寒さの中、絶望している9歳の少年が、困難に耐え、自分のことよりも他人をおもいやることができる。

 ベトナム人の警察官は、祖国ベトナムの友人にこの話をしたことで、ベトナムでニュースとなり、大変な反響を呼んだということです。
 決して裕福とはいえないベトナム国民からの義援金が殺到したそうです。
悲劇と苦難の元でも失われない、けなげなこの少年の美徳と負けない力をひとりの少年の小さな行為から学んだ。

本当にありがとう」
と、このコラムは結んでいます。

以上です。

 最後にこの9歳の少年の話を通じて考えて欲しいことがあります。この少年は、どのように思ってこのような行動にでたのでしょうか。

 少年の行動の前提にあるのは、周囲や社会を信頼しているからで、自然と行動にでたとしか考えられません。

 貧困の度合いがすぎると、その日暮らしていくことに精一杯で、将来への夢も考えることができませんし、思いも浮かびません。

 貧困は無教育になるのです。
無教育だから貧困になり無秩序になります。
守るべき責任や将来の自分が無いからルールを侵して暴発がおこります。

 その結果、妬みや争い、強盗、殺人が起きます。だから教育が必要なのです。では、何が必要か、何を身につけなければいけないのかと言うと、それは秩序であり、ルールです。いわば道徳が大切なのです。

つまりは教育水準が高い国は付加価値の高い人、徳のある人を育て、豊かで安全な国、国民が育つということになります。

以上  二学期始業式の話を終わります。