Topicsトピックス

2025/06/03 次世代型教育

野生動物学初歩実習 ♯1

実習の記録やブログを、アドバイザーの1人で本校卒業生の中井さんが書いて報告してくれました!
6月1日(日)、第11期「野生動物学初歩実習」の活動が始まりました。関西大倉高校11名、府立北野高校6 名の生徒に加え、京都大学のアドバイザー11名が参加しました。京都大学野生動物研究センターからは大学院生2名、人と社会の未来研究院からは山本先生と大学院生1名が加わり、京都市動物園にて初日のプログラムを実施しました。
午前のレクチャー(京都市動物園 レクチャールーム)
午前は、京都市動物園内のレクチャールームをお借りして、大学の先生方や大学院生による講義を受けました。野生動物研究センターの大学院生からは、学部・修士・博士の過程でどのようなきっかけで研究に取り組むようになったのか、それぞれの研究内容についてお話してくださいました。山本先生からは、「チンパンジーの連れション」や「飼い猫と野良猫の顔の違い」といったユニークなテーマの研究が紹介されました。先生は、「日常の何気ない行動の中に社会進化のヒントが隠されているかもしれない」と語られました。高校生たちは、普段触れることの少ない大学での研究に興味を持ち、真剣に耳を傾けていました。
午後の観察実習(京都市動物園内)
午後は、動物園内での行動観察実習を行いました。動物を一種類ずつ観察し、気づいたことや疑問点をメモに記録しました。1頭だけでは気づけなかった行動も、複数頭を比較することで新たなことを発見することもあります。また、ただ全体を眺めるのではなく、特定の行動に注目することで新たな疑問が生まれ、高校1年生たちは初めての観察でしたが、メモ帳にはたくさんの気づきが書き留められていました。
その後、関心を持った動物ごとに班に分かれて行動測定を実施しました。ゾウ班では20分間の行動記録を行い、そのデータをエクセルでグラフ化する作業にも取り組みました。
次回は、班ごとにグループを決定し、より長時間の行動観察と記録に挑戦していきます。初日の学びを活かし、次回以降の実習がさらに充実したものになることが期待されます。

(動物コラム①)
アジアゾウ  哺乳網 長鼻目 ゾウ科 英名:Asian Elephant 学名:Elephas maximus
分布:インド,ラオス,マレーシア,タイ,インドネシア,ネパール,ミャンマー,スリランカ,カンボジア,ベトナム,ブータン,バングラデシュ,中国
熱帯雨林に生息し、雌とその子供たちで母系集団を作って生活しています。雄は成熟すると群れを離れ、単独または小さな雄の群れで暮らしています。
この実習では過去にゾウを対象に耳振りと体温調節の関係や常同行動をテーマとした研究を行いました。